余暇のわずかな運動でも早期死亡リスクが減る!?
軽いウォーキングやガーデニングなどの適度な運動を週に10分~1時間程度行うだけで、早期死亡リスクが低下する可能性があるという研究結果が報告され、運動をする時間が長くなるほど、死亡リスクはさらに低くなったということになります。
40歳を過ぎたら余暇に体を動かすことが長生きの秘訣?
研究グループは、米疾病対策センター(CDC)が1997~2008年に行った全米健康聞取り調査(National Health Interview Survey)のデータから、40~85歳の成人88,140人の余暇の身体活動量を評価。これを2011年末までの死亡率データと関連づけて、身体活動量の死亡リスクへの影響について検討しました。
その結果、適度な身体活動を週に10~59分行う人では、座りがちな生活の人と比べて全死亡リスクが18%低く、身体活動の時間が長いほど死亡リスクの低下効果が大きいことが明らかになりました。適度な身体活動を週に150分~299分行う人では全死亡リスクは31%低く、週に1,500分(25時間)以上行う人では46%低いという結果でした。
また、適度な身体活動を週に10~59分行うと、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患(CVD)による死亡リスクは12%、がんによる死亡リスクは14%低下しました。週に1,500分以上では効果はさらに大きく、CVDによる死亡リスクは33%、がんによる死亡リスクは47%低下しました。
週5時間ぐらいは体を動かしたい
ということは、できるだけ長く運動すればよいのでしょうか?
どうやらそういうわけでもないようです。報告によれば、CVDによる死亡リスクは、週1,500分以上運動しても、週300分程度の人と差はみられませんでした。CVDリスクは週150~299分運動した人で37%低減し、これが最大だったということです。
研究が行われた当時、米国の身体活動ガイドラインでは、運動は10分以上継続して行うべきとされていました。しかし、米政府はその後、運動はどのようなものでも、どんなに短時間でも週のトータル時間に含めても良いという見解を発表しています。
米国のある専門医によれば、運動によって心臓の機能が向上したり、血圧やストレスレベルが低下したりすることで、心疾患による死亡リスクが低下した可能性があるということです。
一方、運動のがんを抑えることについて、別の専門家は、運動によって代謝が促進され、古い細胞ががん化する前に新しい細胞に置き換わるからではないかと話しています。
身体を動かすことが、どれほど大切なことなのかが研究結果により立証され始めてきました。なんとなくはわっかていても、忙しいとつい後回しにいてしまいますよね。運動をすれば逆に疲れてしまう、なんて思ってしまうことも・・・しかし、運動をしないから疲れやすい身体を手に入れてしまっているのかもしれませんね。
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