ビタミンB12が不足すると、どんな症状が出てくるのでしょう? 『Prevention』から、不足した時にあらわれる9つのサインの記事をご紹介します。
年を取るにつれて不足してくるのが、ビタミンB12。特に40~59歳の年代になると女性が100人いたら4人はビタミンB12が不足していると言ってもいいでしょう。多くの人が足りていてもぎりぎりというところ。ただ、誕生日が来るたびに足りなくなってくるという単純な問題ではありません。お肉を食べなくなっていたり、メトホルミン(2型糖尿病や多嚢胞性卵巣症候群の人に使われる薬)という薬を飲んでいたり、胸やけの薬を使っていたりすると、ビタミンB12は不足しがちになるのです。
ビタミンB12が不足すると、強い疲労感が出たり、視界がぼやけたりといった症状が現れてきます。こうした症状にもし心当たりがあるなら、医師に相談して、血液検査を受けてみてもいいかもしれません。血液のビタミンB12が低かったならば、サプリメントで補ったり、注射をしたりすると、数週間以内に元のように回復してくるはずです。
ではビタミンB12が不足して出てくる症状9つをご紹介しましょう。
01. 8時間寝ていても、午後の間、起きていられない
「疲労はビタミン12の症状としてはまず挙げるものです」と、アメリカ栄養士会の広報を務める管理栄養士のリサ・シンペルマンさん。ビタミンB12は、全身に酸素を運ぶための赤血球を作るのに必要なのです。細胞に酸素が十分に届かなければ、いくら眠っても疲れが取れることがありません。疲労感というのは、いろいろな身体の不調と関係するものですよね。だから、まさかビタミンB12が足りないからだなんて気が付かないことも珍しくはありません。いつも眠いなんて思っていてもです。
02.食べ物の袋が異常に重く感じる
自分の細胞が赤血球から十分に酸素を受け取れていないときには、筋肉は疲弊してしまいます。「自分の仕事はちょっときつくて、身体が悲鳴を上げているよう。きっと食生活が乱れているだと思う」。チャンタル・モッセス(31)さんは言います。「でも6カ月前に、自分の疲れやすさ、無気力さがビタミンB12が足りなかったからと知ったのです」。
03.奇妙な感覚がある
「それはもう頭からつま先まで電気が走るような感覚が続いていたんです」とメラニー・カーマジン(44)さんは話します。それもやはりビタミンB12が足りていなかったというのです。ほかにもしびれを訴える人や、針でつつかれているような感覚のある人もいました。その気持ちの悪い痛みは、すべて細胞に酸素が足りていないために神経が痛んでいたためでした。
04.忘れてしまう……深い謎に入り込んでしまう
自分の姪の名前を忘れたりもします。もしかしたら認知症が始まったのではと心配になるほど。でもビタミンB12の不足のせいなのです。「一度は、自分の名前をサインできないほど」とポーリン・スミス(仮名、56)さんは教えてくれました。ビタミンB12の不足と診断されたのです。「これまで高齢の方で誤ってアルツハイマー病とされていた人もいました」とシンペルさんは言います。「ただし血液検査を受ければ、ビタミンB12の不足だとは分かります。サプリメントで補給すれば症状もなくなっていくのです」。
05.頭がくらっとしたり、目が回る
身体のバランスが崩れるように感じることがあります。「めまいを感じて。ちょうど階段を上っていた時です」とモッセスさんは話してくれました。あるトルコの研究によると、めまいで救急を訪れた人と、健康な100人のボランティアの人とを比べたところ、救急を訪れた人の方がビタミンB12が40%も低かったと分かったとのこと。
06.顔色が悪くなる
顔色に少し黄色みがかっていたとしたら、ビタミンB12不足が犯人かもしれません。不足すると、赤血球がもろくなって、簡単に壊れてしまうのです。すると赤血球からビリルビンという色素が漏れ出て、肌を黄色みがかって見せるようになります。
07.あなたの舌がつるっとして真っ赤に
ビタミンB12の不足が深刻になると、半分くらいの人は、舌にある「味蕾(みらい)」というぼつぼつと出っ張ったところがなくなってしまいます。特に、舌のへりの方で。多くの人は舌がひりひりしたり、しみたりするように感じます。ほとんどの味蕾は味を感じる働きがあるので、味蕾がなくなることで、好きな物ですらうまく味を感じられなくなってしまいます。実際、「ビタミンB12不足の女性は体重が減っていくのです。食べ物の味がおかしく感じるようになるから」と管理栄養士のアンジェラ・グラッシさんは言います(ペンシルベニア州バリンマーのPCOS栄養センター)。
08.ささいなことで泣いたり、不安になる
これまでより気持ちが落ち込んだり、不安になったりしていませんか?「ビタミンB12の不足は、気分を荒らし、うつ病や不安症につながっていく場合もあるのです」とグラッシさんは言います。ビタミンB12不足がうつ病のリスクを高めてしまうのか。医師でもその理由を明確に確信していませんでした。しかしビタミンB12が、気分を調節するために役立つセロトニンやドーパミンなどの脳内物質の合成に関与しているということは関係しています。
09.目へのトラブル
極端なケースでは、ビタミンB12の不足によって視神経にダメージが及んで、網膜の血管が詰まり、目がぼやけたり、二重に見えるようになったり、光に過敏になったり、失明することさえあります。スミスさんは、「網膜にダメージが及んだ時にまず出てきた症状は、左目で影を感じるようになって、視界に影響を受けたことでした。ビタミンB12を補充するまで、影はさらに大きくなったのです」と振り返ってくれました。
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