「脂肪」と聞くと、良いイメージを抱く人はあまりいないかもしれません。ですが一口に「脂肪」と言っても種類がある中で、数年前に発見され、活性化することで肥満の抑制やダイエットが期待出来るとして話題になっている脂肪細胞があります。それが「ベージュ脂肪細胞」。今回は、そんなベージュ脂肪細胞の特徴や、活性化させる方法などをご紹介したいと思います。
注目の「ベージュ脂肪細胞」とは?
私たちが普段「脂肪」呼んでいるものには3つの種類があります。
まず1つめは、いわゆる体脂肪と呼ばれる「白色脂肪細胞」です。白色脂肪細胞は、体内で余ったエネルギーや脂質を中性脂肪に変えて貯蔵する役割があり、下腹部、お尻、太ももをはじめとする身体のあらゆるところに存在します。
2つめは、「褐色脂肪細胞」と呼ばれるものです。この褐色脂肪細胞は、主に分解した脂肪から熱を作る役割があり、首から脇、肩甲骨周辺にかけてある程度の塊で存在します。一時、話題となりダイエット効果が期待されましたが、新生児の時から成長と共に減少するので成人には数が少なく、また、増やす方法もいま現在では発見されていません。
そして、最後にご紹介したいのが数年前に発見された「ベージュ脂肪細胞」です。ベージュ脂肪細胞は、褐色脂肪細胞と同じように、活性化することで脂肪を分解し熱を生み出す性質があるといわれています。しかも、褐色脂肪細胞と違い、年齢によって減少することはなく、努力次第で数を増やすこともできるのだそうです。さらに、ベージュ脂肪細胞は、褐色脂肪細胞のように身体のある一定の部位ではなく、身体中にある白色脂肪細胞の中に散在し、活性化すると白色脂肪細胞をベージュ脂肪細胞に変化させるので、脂肪の燃焼を効率的に行なうことができるとして、ダイエットや肥満の防止に効果が期待されているのです。
ベージュ脂肪細胞を増やして活性化するには?
ここではベージュ脂肪細胞を増やすことができると考えられている方法を2つご紹介します。
冷感刺激
ベージュ脂肪細胞は熱を生み出す細胞なので、身体に「寒さ」を感じさせることがもっとも有効な手段だといわれています。ただ“冷えること”と“寒さを感じること”は別のものなので闇雲に身体を冷やさないように注意しましょう。脳が「寒い」と感じるには、19℃以下が適温だといわれています。
また、手のひらを冷やす方法もおすすめ。手のひらには、温度センサーの役割を担っている小体というものが、密集しているので、一時的に氷などの冷たいものをあてるのも、いい刺激を与えることになります。
食べ物で活性化
また、食べ物からでもベージュ脂肪細胞を増やすことはできるそう。ベージュ脂肪細胞を活性化させるにはピーマンや唐辛子などに含まれるカプシエイト、オリーブに多く含まれるオレウロペインが効果的だといわれています。また、白色脂肪細胞をベージュ脂肪細胞に変化させるには、UCP1と呼ばれるタンパク質が関係していると考えられ、UCP1を活性化させるには、青魚の脂肪に豊富に含まれるDHAやEPAが効果的なのでぜひ取り入れてみましょう。
ベージュ脂肪細胞は、発見されてからまだ数年しか経っていないので、その効果や活用する方法はいまだ研究段階のものが多いのも事実です。少し前にいわれていた運動する際に分泌されるホルモン「イリシン」によって増やすことが出来るというのも、その後未確定の段階に戻ったようで、今後もこのようなことがあるかもしれません。
ただ、ホルモンとの関係が未確定でも、有酸素運動が脂肪の燃焼を促し、相乗効果を生むのは間違いありませんよね?ぜひ水泳や、これからの時期は早朝のランニングなど、少しの寒さを伴う運動と組み合わせ、効率よく脂肪の燃焼を試みてみましょう。これからどんどん解明されていくベージュ脂肪細胞に期待が高まりますね♪
コメント