2017年に、高級な美容クリームよりも美容効果が高い、と話題になった「ヒルドイド」。これはヘパリン類似物質という保湿成分を含むことによって保湿、血行促進、抗炎症の効果があり、アトピーや火傷の際に肌の乾燥治療で使用される薬です。しかし最近は、ヒルドイドを本来の目的ではなく美容目的に利用する人が続出し、議論を呼んでいます。そこで今回は、ヒルドイドの代わりに利用できる市販薬をご紹介します!
何が問題なの?
ヒルドイドは、医師が出した処方箋を基にのみ受け取ることができる処方薬です。また、ヒルドイドにはかゆみ、赤み、発疹といった副作用がありますが、処方薬の本来の目的以外の使用ではこれらは全て自己責任となり、万が一のときに重大な負担や危険があります。そのため、処方薬はアレルギーなどの治療にのみ使用し、美容に用いる場合は他の市販薬を使用しなければならないのです。さらに、処方薬は大抵の場合、費用の7割は私達が支払っている保険料が財源となっています。つまり美容目的でヒルドイドを処方してもらう人が増えると、保険料の負担が増大し最終的には現状の財源で賄いきれなくなってしまう心配があるのです。
同じ成分の入った市販薬
市販薬は、医師の処方箋が必要なくドラッグストア等で気軽に購入できるのが特徴。ヒルドイドと同じ成分を含む市販薬は、いずれもヒルドイドとは違う名称で販売されているので一見分かりにくいですが、実はいくつも販売されています。ここからはヒルドイドの代用になりそうな市販薬を6つご紹介していきます。
HPクリーム、ローション(グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン)
含まれている有効成分がヘパリン類似物質のみなので、純粋に保湿効果だけを求めている方に適しています。クリームとローションの両方が展開されているので、自分の好きな使用感と照らし合わせて選んでみてください。べたべたするのが苦手ならローションがおすすめです。第2類医薬品。
ピアソンHP(新新薬品工業)
パッケージがピンク色でヒルドイドに似ているのが特徴です。これもHPクリーム、ローションと同様に含有する有効成分はヘパリン類似物質のみなので、ヒルドイドの代用という感覚が一番感じられる商品でしょう。第2類医薬品。
さいきa(小林製薬)
さいきaローションは水分保持力を回復すると謳っている治療ローションです。また、肌の炎症を抑えたり荒れた皮膚の修復を助けたりする効果のある成分も含んでいます。価格もHPローションなどとあまり変わらないので、ヒルドイドに+αの効果を求めたい方は選んでみてください。第2類医薬品。
ヘパソフト(ロート製薬)
この種類には、クリーム状のヘパソフトプラス(第2類医薬品)と薬用顔ローション(医薬部外品)の2つが存在。ヘパソフトプラスはかきむしり乾燥肌に最適で、掻き跡の修復やかゆみ止めに効く成分が配合されています。一方顔ローションは、顔のことを考えてアルコール、香料、着色料を一切使っておらず、しっとりするのにべたつかないという特徴があります。さらに、炎症を抑えたり潤いを閉じ込めたりする成分も含まれているので、顔の乾燥が特に気になっている方には最適でしょう。顔以外はクリームを利用するなど、併用しても良いかもしれませんね。
フェルゼア ヘパキュアクリーム(資生堂薬品)
ヘパリン類似物質のほかに、組織修復、血行促進、かゆみ止めといった効果のある有効成分が配合され掻き跡の修復に有効です。無香料なのでクリームのにおいが気になってなかなか塗れない方も安心でしょう。化粧品も販売している企業の製品ということでどこかおしゃれな気分にもなりますよ。第2類医薬品。
アットノンEX(小林製薬)
他のヘパリン類似物質を配合した薬は保湿効果を謳っているものが多い中、珍しく傷跡治療を推している商品です。傷跡の赤み抑制や組織修復に効く有効成分が含まれており、28日間の肌のターンオーバーに合わせて継続的に使用することで効果が感じられるようです。ヒルドイドを傷跡に使用したい方はぜひこれを検討してみてください。第2類医薬品。
おわりに
いかがでしたか?美容のためにヒルドイドが気になっていた方は、ぜひこれを参考に市販薬を選んでみてはいかがでしょうか。ただし、市販薬は処方薬と比較するとハードルが低いものの副作用が全くないわけではありません。出血している箇所には使用しない、などの使用上の注意もよく読んでから試してみてくださいね。
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