女子たるもの、栄養バランスに気をつけて食事をしている方が多いのではないでしょうか。でも、その食事、本当に食材の栄養をまるごと全部摂りきれていますか?実は、保存方法、調理方法によっては食材の栄養が失われているかもしれません。せっかくバランスに注意しているなら、栄養の吸収効率をしっかり上げたいですよね。今回は食材を最大限に活かす方法をご紹介します!
保存方法、意識してる?
なんでも冷蔵してない?常温や冷凍保存が適した食材とは
野菜は収穫しても生き続けているので、育った環境にできるだけ近い形での保存がベスト。トマトやキュウリといった夏野菜やバナナやマンゴーなどの温かい気候で育つ果物は、常温での保存が向いています。土の中で育ついも類や大根、にんじんなどは暗い場所に保存。また、トマト、しいたけ、たまねぎなどは調理前に30分ほど窓際において日光を浴びせることで、完熟したりビタミン量が増えたりします。
きのこ類、ほうれん草、小松菜などは冷凍すると硬い細胞壁が壊れて、中にあるアミノ酸を吸収しやすくなります。しじみなどの貝類も、冷凍することで栄養が増えるといわれています。解凍時に水とともに栄養が流れ出やすいので、予め簡単に切っておき、凍ったまま調理しましょう。
ちなみに、卵は冷蔵保存向きですが、殻を通して呼吸しているので臭いが強いものの近くは避け、表面を濡らさないようにしてくださいね。
置く向きが重要
大根、にんじんなどの根菜類は地面に垂直に生えていますよね。
これらの食材を横倒しにしておくと、正常な向きに戻ろうと無理に成長しようとします。そして、このとき蓄えた養分を消費してしまうのです。ラップや新聞紙にくるみ、縦に並べておきましょう。卵にはひよこが呼吸をするための空気がつまった空包があります。これがある卵の丸い方を上にして置くことで、黄身が直接殻にぶつからずに済み、鮮度が保たれます。
切り方
切りすぎは栄養流出の原因
栄養分は基本的に細胞内にあるので、切り刻むと細胞が壊れて栄養が流出します。特に、ビタミンCなど水溶性の成分は水にさらすとすぐに溶け出してしまうので、繊維に沿って切ることで防止しましょう。ただし、筋が硬くて食べにくい場合は繊維に垂直に切ると、柔らかくなります。
小さく切るべきもの
そうはいっても、小さく切ったほうが身体に良い野菜もあります。代表例は硫化アリルを含むたまねぎ、にら、にんにくなど。硫化アリルは、切られて細胞が傷つくと、アリシンという物質に変化します。アリシンはたまねぎ臭の原因となる物質で、血液をサラサラにする効果があります。空気にさらすことで、より壊れにくい性質になるので、小さく切って10分ほど放置すると◎。
野菜に含まれる酵素は熱に弱く、また、細胞を壊したほうが吸収しやすいので、大根や山芋などは生のまますり下ろして食べましょう。ただし大根おろしに含まれるジアスターゼは、酸素に触れると働きが低下してしまうため、すりおろしたら、なるべく早くただきましょう。
加熱方法
緑黄色野菜は蒸し野菜に
特に葉野菜には水溶性ビタミンが多く、長時間ゆでると栄養が水に溶け出していきます。ほうれん草の場合、5分ゆでるとビタミンが半分になってしまうのです。スープなら汁まで飲めますが、そうでなければ蒸し野菜にするのがおすすめ。時短したいときには、味や柔らかさでは劣りますが、ラップで包んでレンジでチンすればOKです。
脂溶性ビタミンは油で調理
さつまいもやカボチャといった色の濃い野菜は、熱にも油にも強い脂溶性ビタミンが豊富。これらは炒め物や揚げ物にして、油と一緒に食べると吸収率がアップします。肉類に多いビタミンB1は熱には少し強いですが、水溶性なので茹でるよりも、油でさっと炒めると栄養を損なうことなく食べられます。
捨てられがちな部分にこそ栄養がある
野菜の皮や芯は見栄えや食べやすさのために切り捨てられることが多いですが、実はこういった部位には栄養が豊富に含まれています。例えば、大根やにんじんで最も栄養が豊富なのは皮のすぐ下の部分ですし、ナスの皮には他の部位にはない抗酸化成分ナスニンが含まれます。キャベツで最も栄養価が高いのは外側の緑の葉の部分、次に芯の部分です。この2つを捨ててしまうとキャベツの栄養のほとんどを捨ててしまうことになるので非常にもったいないですよね。よく茹でて柔らかくすれば硬い芯もおいしく食べることができますよ。
まとめ
野菜は大部分が水分なので、加熱してサイズダウンすることで、結果的に食べられる栄養の量は増えるのです。食べ方を工夫すれば今まで以上に効率的に栄養を摂ることができます。今回ご紹介した調理法で栄養ロスを防いで、食材を無駄なく活用してはいかがでしょうか?
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