冬に「炭水化物食べたい病」にならない対処術

冬になると、みんな炭水化物が食べたくなります。夏や水着を着る季節などはそうでもないのに、この時期、ポテト、パスタ、ペイストリーがおいしそうに感じる。つい欲に負けてしまう……。

炭水化物食べたい病は、冬だからこそ!?

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「でも、冬だからと欲に任せていると、ウエストラインをあきらめるだけでは済まないことに」と、『プライマル・ボディ』の著者であり、栄養療法士のノラ・ゲドゴウダスさん。冬に炭水化物を大量にとってしまうと、ズボンがきつくなったように感じるだけでなく、気分も乱れがちに。

炭水化物を食べたい衝動は、「季節性うつ病(SAD)」のひとつの症状なのです。これは毎年ほぼ冬の4カ月間に米国で1400万人が発症するうつ病の一種。子供から10代を含め、女性は男性の4倍も。「季節性うつ病(SAD)」にかかると通常より眠気がでて、朝起きるのがつらく、家庭や仕事での日常の作業に支障が出てしまいます。性的な関心や社会的活動への関心も落ち込んで、ゆううつであるがために、パートナーとのけんかも起こりやすくなります。

1984年に医師のノーマン・ローゼンタールさんが、ある画期的な研究を行いました。SADを発症する可能性と、日光に当たる時間の減少との関係にかかわるものです。日光がトリガーになって、気分の高揚に関係している神経伝達物質「セロトニン」が作られるという報告が。

夜、太陽が沈むと、セロトニンは眠りを誘うホルモン「メラトニン」に変換。朝日の到来とともに、メラトニンはセロトニンに戻るのです。それで1日を通して必要なやる気が湧き出てきます。

炭水化物でトリプトファンが欠乏する

炭水化物は、そういったことと何か関係が? ローゼンタールさんの1984年の研究に参加したSADになった人の79%が、炭水化物を欲しいという渇望感に苦しんでいたのです。炭水化物が欲しくなる理由も。炭水化物を食べていると、アミノ酸の一つ「トリプトファン」の利用が促進。このアミノ酸からは、日光の働きを受けて、気分を高めるセロトニンのほか、ビタミンB6が作られます。

「問題は、トリプトファンを含む食べ物を食べていないこと」とゲドゴウダスさん。

トリプトファンを取るために食べる必要があるのは、魚介類、鶏肉、自然の牧草で育てられた牛の肉、葉物野菜、アスパラとブロッコリーなどの緑色野菜。SADになると、精製された炭水化物を食べたくなって、こうした健康的な食材を食べる量が減り、結果として身体の中でセロトニンを作るためのトリプトファンが不足してしまうのです。活力が減退。気分も悪化。「だから、だるい感じがして頭がぼうっとして、眠たさが。まさにうつ病です」(ゲドゴウダスさん)。

トリプトファン欠乏の悪循環

ゲドゴウダスさんは、精製された炭水化物は取らない方がよいと考えていますが、現実的にはなかなか困難ですが、SADの人は、特に冬はq炭水化物を減らすことがおすすめ。

「精製された炭水化物は短期的には元気になるのですが、あくまで短期的。白米、ジャガイモ、シリアル、パスタは、火に紙をくべるよう」とゲドゴウダスさん。大量のエネルギーをあっという間に全身にみなぎらせるのですが、続いて血糖値が一気に下がってすぐに炭水化物を食べたくなってしまう。そんなサイクルが延々と続いてしまうのです。玄米や大豆のような炭水化物でさえ同じような作用はありますが、それほど深刻なレベルではない。

そのうえで、「穀類メーンの食事がトリプトファン欠乏の原因の一つに。穀類は(トリプトファンを含む)必須アミノ酸を含んでいないので、穀類を中心の食事だとトリプトファンが足りなくなってしまうのです」とゲドゴウダスさんは言います。

炭水化物の代わりに切り替えるなら、良質な脂肪を

効率のいいエネルギー源としては、長時間燃えてくれる脂肪がいい」とゲドゴウダスさん。牧草で育った牛の肉のほか、オーガニックのココナッツオイル、ギー(インドの澄ましバター)など健康によい脂肪は、身体が必要とするトリプトファンを補ってくれ、気分も改善させてくれる効果が

実際、精神医学誌『ジャーナル・オブ・アフェクティブ・ディスオーダー』誌に掲載された研究によると、トリプトファンのサプリメントを取ると、SADの治療に使われる光療法と同じくらい有効と確認されています

「エネルギー源を切り替えるのはなかなか難しいもの。でんぷんや糖分の多いおやつを食べたいという気持ちは、最初の数日間は強烈ですが、徐々に消えていくんです」とゲドゴウダスさん。

切り替えるときには、精製されていない炭水化物(全粒粉など)にココナッツオイルなど健康的な脂肪を添えます。そうして炭水化物の吸収を遅らせて、安定的にエネルギーを燃やせるようにします。「SADの人にとって、DHAやEPAなどのオメガ3系脂肪酸も極めて重要」とゲドゴウダスさん。オメガ3系脂肪酸を取ると、体内の「セロトニン受容体」を増やしてくれるので、うつ病を遠ざけてくれるからです。

どうしても炭水化物をあきらめられないなら、症状を軽くするための方法はまだあります。日光に当たることです。窓の近くで過ごしたり、ウオーキングする時間を増やしたり、仕事用に日光に近い全スペクトルのライトを買ったり。

また十分な睡眠を取って、友人と楽しい休み時間を十分に過ごすことや運動も症状を軽減します。トレーニング後の脳内麻薬のエンドルフィンによる気分上昇は一番いいものなのです。

(参照元:Why You Should Be Eating More Healthy Fats In The Winter

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