「薬を塗っているのにニキビがなかなか治らない」「きちんと洗顔をしているのにニキビが減らない」といった、肌荒れで悩んでいる方はいませんか?ひょっとしたらそれは、ニキビではなく顔カビの仕業かもしれません。
顔カビとニキビは症状が似ていてもかかる原因が異なるため、一般的なニキビ対策では改善されません。今回は、この時期、特に悪化しやすい顔カビによる肌の不調のメカニズムと予防法についてご紹介したいと思います。
顔カビとニキビの違いって?
顔カビによる炎症の場合、赤いブツブツが細かく分布していることが多く、また、ニキビの場合はブツブツの大小が変わるといわれています。ただし、専門家でないと簡単には見分けがつかないので、肌が荒れてきた段階で皮膚科を受診するのがベスト。
顔カビの正体
顔には「マラセチア菌」というカビが常在菌として存在しています。湿気と脂が大好きなカビ菌で、皮脂を脂肪酸に代謝し、お肌を弱酸性に保つ働きをしてくれています。しかし、皮脂が多いと、このマラセチア菌が増殖し、様々な皮膚炎を引き起こすといわれています。また、小さなブツブツには膿がたまる場合もあるため、これがニキビと勘違いをしてしまう人が多いのだそう。
顔カビが引き起こす主な症状
脂漏性湿疹(脂漏性皮膚炎)
頭や眉毛、鼻の脇など、身体の中で脂漏が多いパーツに起こりやすい病気。毛の生え際の表面の皮が向けたような状態になったり、肌が赤くカサカサになったりという症状が現れます。かゆみはほとんどなく、皮膚科で処方される抗真菌剤で治療できます。過剰なお手入れによって脂漏性湿疹を引き起こす場合も。
マラセチア毛包炎
耳をはじめ背中や肩、腕などにできやすい病気です。増殖したマラセチア菌が身体の免疫反応で異物とみなされると、毛穴に赤いブツブツが出現。ニキビとよく似ているので素人では見分けがつきにくいともいわれています。
アレルギー性湿疹
顔カビが原因でアトピー性皮膚炎が悪化する場合があります。健康なお肌であれば顔カビの影響は受けにくいものの、ストレスなどで免疫力が落ちていたり、お肌が過敏になっていたりするときなどにかぶれが起こる場合があります。かゆみが強く、赤くなって炎症を起こすのが特徴的です。
顔カビを防ぐにはどうしたらいいの?
顔カビを防ぐには、お肌を清潔にすることが何よりも大事。そのほかには、どんなことに気をつければいいのか、ご紹介したいと思います。
①普段使うタオルやカバー類は清潔に!

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フェイスタオルやバスタオルなど、顔に直接触れるものは常に清潔にすることが鉄則!また、見落としがちな枕カバーもこまめに洗濯して、清潔を心がけるようにしましょう。
②過剰なスキンケアは控える
顔カビを防ぎたい&改善したいという気持ちから、過剰に洗顔するのはNG。殺菌しすぎると、お肌のバランスを保つための働きをする顔カビまでも殺してしまうことに。強い殺菌剤でお肌に刺激を与えて、逆にバリア機能を低下させすぎないことも大切です。また、保湿しすぎるのも、顔カビが好む湿度の条件をより満たすことになるので、ほどほどにしましょう。
③ファンデのパフもこまめに取り替える
ファンデのパフやメイクブラシなどもカビが繁殖しやすいので、こまめに洗って常に清潔な状態にしておきましょう。ファンデを使い切るまで同じものを使っているズボラ女子は要注意!せめて、1~2週間使ったら、新しいものに交換するように習慣づけましょう。
④フィルター掃除も怠らない
エアコンや掃除機、空気清浄機のフィルターをチェックしていますか?ついつい忘れがちになるフィルター清掃ですが、汚れた状態で使い続けるのは部屋中カビだらけにしているのと同じ。フィルター掃除で症状が改善される場合もあります。
まとめ
原因不明のかゆみや、湿疹ができてなかなか治らない場合は、専門医のアドバイスのもと適切な処置を行うことが大切です。顔に触れるものはできるだけ清潔に保ち、過剰なスキンケアはしないように注意しながら、顔カビと程よくお付き合いするように心掛けましょう。