夏の暑い時期には、普段よりも汗をたくさんかくし、「私ニオってないかな」など、体臭のことが気になりませんか。汗をかくことは、健康のためには良いことなのですが、くさいニオイは女性として困っちゃいます。今回は、体臭予防のひとつとして、汗は汗でも良い汗をかくためのいろいろな工夫をお伝えしていきます。

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汗には良い汗と悪い汗がある
汗をなめてみると、しょっぱいですよね。これは、汗の成分のほとんどが、塩化ナトリウム(塩分)だからです。
しかし、そのほかにもマグネシウム、カルシウム、鉄分、重炭酸、亜鉛など、生きていくうえで大切なミネラル分が含まれており、これは、血液に含まれている「血漿(けっしょう)」と同じ成分です。このことからわかるように、汗はただの排泄物ではないのです。
では、いったい汗ってどんな役割をしているのでしょうか
人間は食べ物を体内で分解したり合成したりして、生きるために必要なエネルギーを作っています。これを代謝といいますが、実は大変な熱をともなうのです。ただし、通常は体温が43度以上になると、生きていくことはできないので、体温を調節する働きがあります。
この体温調節作用に汗が大活躍で、体温が上がると、汗がどんどん出てすばやく蒸発することで体温を下げ、またその際にも必要以上に体温を下げず、一定に保つようにもなっています。
このように、汗は体温調節作用には欠かせない重要な役目があるので、良い汗は、素早く蒸発できるように、ベストバランスの成分でできておりサラサラしているのです。
その反対に悪い汗は、成分バランスがくずれ、ベタベタとしているため、蒸発しにくくなっています。
良い汗をかくための工夫 〜普段の生活編~
良い汗であれば、たとえたくさんかいたとしても、サラサラしているし蒸発も早いため、いやな体臭の原因にはなりません。
ただし、ベタベタとした悪い汗の場合は、なかなか蒸発がしにくいので、肌の上の汚れや雑菌など混ざり合い、体臭の原因になりやすいのです。
だからこそ、日頃から汗腺の働きが衰えないように、良い汗をかくための工夫が必要なのですよ。

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【良い汗をかくための毎日の工夫】
- できれば冷房の効きすぎた室内に一日中いないようにする。
- 時々外に出たり身体を動かしたりして、自然な汗をかくこと。
- 冷房の設定温度は、外気との温度差が5℃以内にしましょう。
- 2〜3時間おきに、温かい飲み物をとり、汗を出すこと。
- 運動は有酸素運動がおすすめです。
- 入浴後は、すぐに衣類を着用せずに、自然に汗を蒸発させること。
- 自然に出る汗は、無理に止めないほうがよい。
- 衣類や肌着も、汗を蒸発させやすい素材にすることナイロンなどは避ける
良い汗をかくための工夫 〜入浴編~
毎日の入浴をひと工夫することで、さらに良い汗がかけるようになります。1カ月くらい続けると良い汗がかけるようになりますよ。
1.高温で手足のみ温める
いきなり全身を湯船につけずに、まず手と足のみを温めます。手足を温めることで、全身の汗腺の働きが活発になります。
- 浴槽に熱めのお湯43℃〜45℃くらいを、20cmくらい溜めます。
- 浴槽の中に入り、ひざ下とひじのみお湯の中に入れます。四つんばいになるか、お風呂用のイスを入れて前かがみになっても良いです。できれば、10分から20分くらい温めましょう。※四つんばいの入浴がむずかしければ、ひじをつける時に、大きめの洗面器をお風呂のフタに置くか、ひざ下のみでも大丈夫です。
2.続いて微温浴をする
手足を高温で温めた後に、水を足してかなりぬるめ(36℃前後)のお湯にします。全身もしくは半身でもいいので、15分以上ゆっくりとつかりましょう。
その際、コップ半分ほどの酢をいれると、さらに汗腺機能を回復させる効果が高まります。手足を高温で温めていたので、交感神経が高ぶっていますから、微温浴をすることで副交感神経を優位に導き、リラックス効果があります。
3.入浴後は、タオルで水分をふきとり、しばらく衣類をつけずに汗を蒸発、乾燥させます。
吸湿素材のガウンなどをはおり、水分補給をしながらゆっくりとくつろぎましょう。
終わりに
良い汗をかく工夫は、ちょっとばかり面倒くさいものもありますが、体臭で悩まされることを考えれば、事前対策をがんばったほうが良さそうです。気になる方は、ぜひ試してみてくださいね。