不眠症といえば、なかなか眠れないというイメージがありませんか?もちろん、そのとおりなのですが、その他にもさまざまな不眠症のパターンがあり、それぞれの原因や対処法も違うことがあります。今回は、不眠症のパターンやそれぞれの対策について、くわしくお伝えしていきます。
睡眠のサイクルについて

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不眠症のパターンを知る前に、睡眠のサイクルを理解しておきましょう。睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠の2種類があり、交互にくり返されています。
レム睡眠は、浅い睡眠のことで、身体は眠っているのに、脳は活動している状態のことです。つまり、脳は起きていても、身体の方は筋肉がゆるみ緊張していないということになります。夢をよくみること、眼球が急速に動くこと、自律神経の不規則な変化などが特徴です。
ノンレム睡眠は、身体も脳も休んでいるので、レム睡眠よりも深く眠っている状態です。脳が休止状態のために、体温が下がり呼吸や心拍数も深くゆっくりとなります。ただし、ノンレム睡眠であっても身体の緊張は完全に無くなっているわけではありませんが、レム睡眠時に比べて、呼吸や心拍数は浅くて規則的です。
睡眠は、眠りはじめにノンレム睡眠状態になり、その後レム睡眠状態になるセットを約3時間ごとに繰り返すので、一晩でおよそ2〜5回程度になります。そして、朝方になるにつれて、次第にノンレム睡眠が少なくなり、目覚めていくのです。
不眠症の4つパターンと対策
不眠症には、いろいろなパターンがあるので、気になる方はどれに当てはまるかを知っておきましょう。

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入眠困難(なかなか寝付けないタイプ)
寝付くまでの時間には個人差がありますが、布団に入ってから30分以上経っても、眠くならなかったり、眠い気がするのに眠れなかったりする場合です。
【対策】
- 眠れないかも…と、思いつめない
- 帰宅後や睡眠前に、リラックスタイムをとる
- 夕食や夜食は軽めにする
- 寝る前に、ブルーライト(スマホ、PC)などを見ない
- 夜は室内の灯りを明るくしすぎない
- 睡眠の1時間前にぬるめのお風呂につかる
- こうしたら眠れるという自分なりのルールを作る(マッサージ、ストレッチなど)
- 寝る前のタバコや飲酒、栄養ドリンクは避ける
中途覚せい(夜中に何度も目が覚めてしまうタイプ)
眠りが浅く、何度も目が覚めてしまう。また一度起きたら、なかなか寝付くことができない場合です。
【対策】
- 寝る前の習慣を見直して神経を興奮させるようなことを避ける(例:アルコールの飲みすぎ、タバコ、カフェイン、ブルーライトなど)
- 眠る場所を変えてみる(ベットから布団やソファーなどで寝てみる)
- 寝返りをしやすいマットレスに変えてみる(柔らかすぎず体型にあったものなど)
- 目が覚めたら温かいミルクやハーブティーを飲んでみる
- どうしても眠れないときは、一旦起きてみる
早朝覚せい(朝早く目が覚めてしまうタイプ)
通常の起きる時間よりも2時間以上前に目が覚めてしまったり、遅く寝ても早く起きてしまったりして、再度寝ようと思っても寝付けない場合です。
【対策】
- ライフスタイルを見直してみる(例:食事のリズム、カフェイン、アルコールの取りすぎなど)
- 心地良い睡眠環境作りを考える(布団、ベットの堅さ、灯り、温度、湿度など)
- 季節によっての適切な対策をする(暑さ、寒さ)
- 夜中にトイレに起きる場合は、トイレや便座を温めておく(冷たいと目が覚めるので)
- パジャマや下着の質にもこだわってみる
- 枕の高さや素材には、特に気を使う
熟睡障害(眠っているはずなのに眠った気がしないタイプ)
しっかりと眠っているはずなのに、目覚めた時にまだ眠たかったり、疲れがとれていなかったりして、スッキリしない場合です。
【対策】
- 眠りのリズムを意識する
- レム睡眠の時に起きられるように、寝る時間や起きる時間を工夫する
- 眠り始めのノンレム睡眠の質を良くする工夫をする
- 自分にあった睡眠時間を見つける(眠りすぎている可能性があるため)
- 夜や朝に軽い運動をしてみる
- 朝起きた時に、熱めのシャワーを浴びてみる
最後に
眠れないって、本当につらいですよね。眠らなくちゃ…と、考えれば考えるほど、眠れなくなったり、ちょっとしたストレスでも目が覚めちゃったりします。それに、睡眠不足は美容の大敵ですから、女性は特に気をつかってしまいますよね。ご自身の不眠のパターンを知ることで、対策も変わってきますので、ぜひ試してみてくださいね。